汀間での出会い

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沖縄県名護市の汀間(てぃま)集落にある、金丸(かなまる)にまつわる泉『金満泉(かにまんがー)』を探しに行った。
金丸というのは、琉球王国時代の第二尚氏王統を設立させて尚円(しょうえん)王となった人物の、王になる前の呼び名。

金丸が王になるもっと前に、今帰仁から首里を目指して旅をしている途中、汀間のその泉で女性と出会い、しばらく一緒に暮らして一男一女をもうけた。という伝説をどこかで聞いたことがあった。

行ってみたはいいものの、集落に案内板はなく、当てずっぽうで歩いてみてもさっぱり見当がつかなかったので、たまたま軒先で作業をしていた集落の男性に道を尋ねた。

「はい。カニマンガーね。そこの角を左に入って、その先を…」
慣れた様子で、わかりやすく説明してくれた。

一通り説明を終えた後、その男性はおもむろに話し始めた。
「私の家系は尚円の子孫だと言われています。」

衝撃だった。思わず
「え?あの?泉で出会った女性の?ノロの?ご子孫?!!」
と聞き返すと、
「えぇ。本当かどうかはわかりませんが、うちの家系図の上の上の方に尚円と…」

興奮と感動で頭の中が真っ白になった。後で冷静に考えると、そういう人に出会ったら聞きたいことなんて山ほどあったのに、その時は何も聞くことができなかった。そのうえ、せっかく丁寧に教えてもらった泉までの道順もすっかり抜けてしまい、結局、散々迷って探しまわる羽目になった。

 

金満泉(かにまんがー)【名護市汀間】

金満泉(かにまんがー)

沖縄には史跡として認定されてないけれど、琉球史に深く関わっている場所がたくさんある。そういう場所を守っている人たちにとっては、そこは生活の一部でもあり、そして大切な場所で、あえて認定させないんだろうなと思う場所もある。でも、ガイドマップも無しに、私たちがたどり着ける場所に関しては、それはご縁をいただいたと思って、感謝して少しの間お邪魔する。

だから今回、思いもよらぬ人と場所に出会えたことはとんでもなく嬉しかった。
いつか現地の人に地図のない道や伝承を聞きながら歴史をたどってみたいと夢見ていたことが目の前で起こっていた。

しかし、村人に話しかけてヒントをもらう旅をしているとは。ドラクエをリアル世界でやってるんじゃんと思った。
いつかは勇者になれるだろうか。いや。もし職業が選べるならば、遊び人がいいなと思う。

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